ブランクを埋める取り組み

過去に介護職として働いていたけれど、今では現場に出ていないという人が日本にはかなりの数存在しています。原因は人それぞれですが、引っ越しをして仕事を辞めた、出産や育児をするために現場を離れたという人が多いようです。こうした人たちはブランクがあるため、なかなか現場に戻りたくても戻れないと考える人が多いような気がします。昔のように仕事がしていけるか不安に思ったり、年齢が高くなったことで心理的なハードルが上がっているように感じるケースが多いのです。こうした人たちのことを、いわゆる潜在介護士と呼んでいるのですが、この潜在介護士をいかにして現場に戻すかが課題となっています。

介護の現場では引き続き人材不足が叫ばれていて、潜在介護士の力を借りなくてはいけない状況にまで陥っています。したがって自治体や病院、介護施設などでは、ブランクを埋めるための取り組みが始まっているのです。具体的には、講習の形式になることが多いでしょう。簡単な講習をして、昔やっていたことを思い出してもらおうというものです。一度はできていたことなので、講習を受けるだけでも見違えるように勘を取り戻す人が多くいらっしゃいます。こうした取り組みによって、ブランクを気にせずに現場に戻れた人もいます。他にも、資格だけは取得したけれど現場には出ていないという人が、実に4割も存在しているという調査結果もあるようです。潜在介護士をいかに現場に連れ出すかが、今後の高齢化社会を支えていく鍵になると各所で指摘がされているわけです。